「おいフランシスー！来てやったぞー」
「あ、丁度いいとこに、そこのナイフ取って」
「いきなりそれかよ、ほらよ」
「メルシー、だってきっちり時間通りに来るからさ。何、外出禁止令ほんとに抜け出して来たんだ」
「へっ、何言ってんだ、俺様が弟ごときのトラップにかかるかよ」
「実の兄に容赦ないねえ。よし、ほら綺麗に焼けてるだろ？」
「え～匂いに導かれ親分遅れて登場！」
「おっせえよ、お前が遅れた所為で俺様が手伝ったんだからな」
「あ、ほんまに？」
「ナイフ取ってもらっただけ」
「そんなとこやと思ったわ」
「何も手伝ってねえくせによくいうぜ」
「ほんならお土産のワイン、ギルにはあげへーん」
「！！」
「あ、もしかしてそれポートワインじゃない？嬉しいなあ」
「こないだポルトガルで貰うてん。フランシスもこれ好きやゆうとったやろー？」
「いいねえ、じゃあ次はポルトガルで飲み歩きとかしない？」
「ええなあ！来月予定あいとるとこはなー」
「お前ら今日が終わってねえのに来月の話なんてすんじゃねえよ。ったくよー、フランシスのクーヘン冷めちまうだろ」
「食い意地はってるねえ。じゃ、今日は酒もあるので」
「せやなー、フランシスの料理をご相伴にあずかる会、かんぱーい」
「乾ッ杯！！」

「なあなあ来月ポルトガルっつうけどよ、俺様あんま知らねえから教えろ」
「人に話すなって言っといて」
「そこがギルやなあ」